将来新型AOを導入するにあたり、C8では小さく、C14は稼働率が移動撮影できないので、ヤフオクでC11をポチリました。古いですが、程度が思ったより良かったので今のところ満足です。
アリガタレールが今のアリミゾに上手くフィットしなかったので、アマゾンで安く買いました。
これから光軸調整していきます。
月別アーカイブ: 2018年11月
アマチュア向け本格的AOが開発進行中
今年、アマチュア向け望遠鏡に適用できる小型の通常(X-Y補正だけでなく、Focus、非点収差など高次補正する)AOシステムがイタリアの大学ベンチャー企業Dynamic Optics社で開発されています。
https://dynamic-optics.eu/applications.php?p=telescopes
この会社のAOの特徴は一般的な「可変鏡」で補正するのではなく、「可変レンズ」(Adaptive lensと言ってます)を使っていることです。
https://dynamic-optics.eu/products.php?p=adaptive-lenses
この方式だと鏡を使わずコンパクトに出来そうなイメージだったので、問い合わせてみました。
当初、Dynamic Optics社にC14望遠鏡でのAOを提案してもらう考えでしたが、望遠鏡により調整が必要で、現地据え付けに来訪するか、望遠鏡を送って組付け調整後、返送する案を提示してきました。
かなり大げさな話になりそうだったので、調整が要らない様、先方に実績のあるC11望遠鏡で提示してもらうことにしました。
しかし、やり取りしている内にいろいろ課題が見えてきています。
1.WFS(波面センサ)側に光の90%を持って行かれ、残りの10%で画像撮影になる。。
2.対象星が1等星クラスで300~400fpsで補正可能だが、2等星だと30~40fpsまで遅くなる。。
3.デフォーマブルレンズが気温0度付近で、僅かな球面収差が発生する。
1については、ビームスプリッタが9:1になっているのを5:5も可能にしてもらう。(切り替えできる)
2については、先方も懸念していて、PSFを求めて補正するやり方(ただし補正項目は低次のものに限られる)を使えば暗い星も対象に出来る模様。
この検証にはあと2週間くらいかかるとのこと。
3については、仕方ないと回答。(ヒーターとかで温めるしかない)
以後、やり取りは継続していきますが、いつ完成するかは見通せない感じです。
一方、最近まで知らなかったのですが、米国のStellar Product社は小型で安価な、シンチレーションキャンセラー「AO-2」を1990年代に開発、日本でも発売していたそうです。
2010年台にはPCを使ってより高次な補正すべく「AO-5」を開発していましたが、プロトタイプで終わってしまって、最近まで動きがありませんでした。
http://stellarproducts.com/about/personal/Stellar%20Products%20Adaptive%20Optics.htm
ところが今月になって、このAO-5の開発が進んでいることがアナウンスされました。
http://stellarproducts.com/adaptive/AO5lit.htm
最近の惑星撮影では、ラッキーイメージング法が主流だけど、良い空の下でもなかなか良い画像が得られない。
高速Tip-Tilt補正法で、やっと数%良い画像がキャプチャーできるレベル。
今回開発するAO-5による補正はTip-Tilt,デフォーカス、2種の非点収差を補正するもので、これにより、良い空では50%、普通の空で10%良い画像が得られるとのこと。
要は、AO-5とラッキーイメージング法で、大幅に歩留まりが上がるというものです。
対象の望遠鏡の口径は10inch(25cm)から24inch(60cm)。可変鏡は使わず、可動するレンズを使う(SX-AOやAO-8はレンズではなく平面ガラス)
対象の星は16inch(40cm)望遠鏡で9等星までとアマチュア用としては十分です。これはガリレオ衛星、天王星、海王星も対象になります。
解像度は0.3秒角(多分16inch望遠鏡で)が目標とのこと。
多分1年以内に発売にならないかなあと思っています。